車両保険は「自分の過失分も補償」してくれる

車両保険は、自分の過失分も補償の対象になります。
「相手のある事故で自分の過失割合が大きい場合」は、相手からの賠償だけでは自分の車の修理費をカバーすることができませんが、車両保険に加入していれば保険金が支払われます。
また、通常だと修理費が全額自己負担となる「自損事故(単独事故)」についても、車両保険に加入していれば保険金を受取ることが可能です。

「車の無い生活が長引くリスク」を回避できる

自然災害や事故で、高額な修理費や車の再購入金額が必要になってしまった場合、全額自己負担となるとお金の準備に時間がかかることも考えられます。また、全損してしまった車にローンの返済が残っていると、車の再購入には更なる負担がかかります。こうした場合、車両保険に加入しておけば早い段階で車両保険金額を受け取ることができ、修理や再購入などの必要な対応を進めることが出来ます。
車が日常生活の必需品になっている方は特に、「車の無い生活が長引くリスク」について備える必要があります。

「自然災害のリスク」への備えとして

台風や豪雨などにより雨量が突然増加すると、土砂災害や河川の氾濫、道路の冠水などが起こり、車にも大きな損害を与える場合があります。過去の大雨では、排水ポンプの故障により駐車場が冠水し、数十台の車両が大きな損害を受けた事例もありました。車両保険は、相手のある事故以外にも、自然災害によって被った損害も補償されます。(地震・噴火、またはこれらによる津波を除く)
万が一の際に補償を受けられるという安心感は、車両保険に加入するメリットの一つです。

事故の相手が「無保険車」の場合、最後の手段として

「無保険車」とは、自賠責保険に加入している一方で、「自動車保険(任意保険)に加入していない自動車・バイク等」のことです。自動車保険の加入は個人の意思に委ねられているため、「無保険車」でも一般道の走行は可能です。2024年度の統計によると「約10台に1台程度が無保険車である」とされています。

事故の相手が無保険車の場合、こちらが受け取れる保障は「自賠責保険の限度額までの補償」のみです。さらに自賠責保険は「相手方の死傷に対する補償のみが対象」であるため、自分の車が受けた損害(修理費)については補償の対象外となります。

また、被害者側に事故の責任がない「過失ゼロの事故」の場合では、自分に賠償金の支払い義務が生じないため、自身の任意保険の「示談代行サービス」を利用できません。その際、相手が任意保険に加入していないため、示談交渉は当人同士で直接行う必要があります。

そのような事情で、無保険車との事故は非常に多くのリスクを抱えています。
事故の相手に十分な支払い能力が無く、「損害賠償請求の話し合いが非常に難航する」「修理費を全額回収するのに時間がかかる」「長期滞納や踏み倒しが横行する」といったケースも実際に起こっています。

自分の自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されていれば、無保険車との事故でも保険会社を通じて弁護士に依頼し、示談交渉や損害賠償請求手続きを、すべて任せることが出来ます。ただ、付帯されていない場合は、事故の相手が無保険だと修理費の全額回収は困難です。

相手から損害額が支払われなかった時、不本意ではありますが、車両保険は「自己負担を減らす」ための最後の手段となります。

自分の車が損害を受けた時に、補償してくれるのが車両保険

「車両保険」とは、自分の車が交通事故や自然災害、盗難、いたずらなどで被った損害に対して保険金が支払われる保険です。契約車両は、以下のような時に補償が受けられます。

  • 車同士の接触事故で、車が壊れた。
  • いたずらに遭い、車が落書きされガラスを割られた。
  • 車が盗難に遭った。
  • 飛び石で車に傷がついた。
  • 火災により車に損害があった。
  • 不注意で車をガードレールにぶつけた。※エコノミー型は対象外。

車両保険は、自然災害に対しても有効です。

  • ゲリラ豪雨による冠水で、車が水没してしまった。
  • 台風による豪雨で、機械式駐車場ごと車が水没した。
  • 台風による強風で、飛んできた物が当たって車に傷がついた。
  • 雹(ひょう)によって、車に傷やへこみ、ガラスが割れるなどの損害が生じた。
  • 雪の重みで車庫の屋根が落下し、車に損害があった。
  • 高潮により車が流された。

ただし、地震、噴火、津波による損害について、車両保険は補償の対象外です。
また、装置の不具合や劣化などによって車が故障した場合の修理費は、車両保険では補償されません。

車両保険はこんな時に、修理費等を補償してくれます

他車との事故盗難飛来・落下物との衝突
他のバイク・原付との事故いたずら・落書き火災・爆発
自転車との事故当て逃げ台風・竜巻・洪水・高潮
単独事故転覆・墜落雹(ひょう)・霰(あられ)

青色の事故は、「エコノミー型」の車両保険では、補償の対象外となります。
※エコノミー型の補償範囲は、保険会社により異なる場合があります。

「一般型」と「エコノミー型」の違い

車両保険には大きく分けて3つのタイプがあります。「一般型(フルカバータイプ)」「エコノミー型(限定タイプ、車対車+A)」「車対車(車との衝突のみ)」の3つです。一般型は補償内容が幅広い分、保険料は割高になります。一方のエコノミー型は補償範囲を限定することで、保険料は割安になります。

一般型     車両保険が対象としている事故の種類すべてで補償が受けられます。その分、エコノミー型を選んだ場合よりも保険料が割高になります。
エコノミー型一般型よりも補償の対象となる事故を限定することで、保険料を安く抑えることが出来ます。一般型の補償範囲から、「自転車との事故」「単独事故」「転覆・墜落」などが除外されています。
車対車補償の対象となる事故を「他の車との事故」「他のバイク・原付との事故」に絞ったタイプです。補償範囲が最も狭いため、保険料も最も安くなります。

車両保険を付帯するにあたり、必要な補償内容は契約者それぞれに異なります。希望する補償と負担する保険料のバランスがとれたタイプを選択し、無理なくリスクに備えることが大切です。

自動車保険で後悔しないために、車両保険のご検討を!

理不尽な事故からご自身やご自身の車を守るためにも、無理なく支払える保険料の範囲で、車両保険や補償内容の見直しをご検討ください。